ひまわりは巨大な風車を見てる
- 2018.08.31 Friday
- 19:21
南相馬には行政区ごとに除染で出たゴミの仮置場があり、ここが被災地だとわかる。放射性物質は山側に流れたので、海側には影響は少なかったが、線量の高い所は除染され2017年には完了している。今では除染作業員の姿はないし、野菜や米などもふつうに作られるようになった。
剥ぎ取られた表土は、プレコンパック(黒いポリ袋)につめられ、それぞれの地区の仮置場に置かれている。目だない所にあるところもあれば、住宅地の近くの田んぼの中にあったりする。工事現場のような白い仮囲いの中で、廃棄物は紫外線から守るため黒いシートを被せられ、古墳の土塁のようだ。
国は、原発から20キロ圏内の双葉町と大熊町にまたがる原発の周囲にできた中間処分場に運ぶ予定だ。除染で出た廃棄物は、1,650万m3ほどで東京ドーム13個分、ダンプカーだと300万台分。除染にかかった費用は21.5兆円とされ、廃炉には70兆円かかる言われている。数字が大き過ぎててピンとこないが、工事の金額と言うよりひとつの産業だ。
ちなみに日本の1年の税収が43兆円(なぜか支出が103兆円)なので、除染にかかった費用は21.5兆円で税収の半分じゃないか。それは実質廃炉は国民の負担なのだ。原発事故への国民の関心は薄くなっているが、8,000人作業員が廃炉のため働いている。ほぼ一つの町と言っていいくらいだ。
日常を取り戻しているように見える福島だが、まだまだ復興したとは言い難い面もある。個人として、 きっと同じ規模の地震が起きたら、もう一度原発事故は起きると思うのだが、それは考え過ぎだろうか?
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