相馬人

  • 2011.10.31 Monday
  • 23:38
 


今日もバッジのネタでなくて、すいません。

 個人の事で恐縮ですが、休日にフランスから友達が福島に里帰りで、相馬に訪ねて来てくれました。相馬には、松川浦があり、海苔の栽培や潮干狩りで有名な所があったんですが、松林はすべて流され、ただの砂浜になってしまいました。地盤沈下が起きて海が高く感じました。水の中には、小屋やバスがまだ残されていていましたが、復旧も進んでいるのは確かです。津波の時、沖の出て無事だった漁船は、原発事故で漁に出られず、繋留していました。すごく悔しい!こちらは人災ですからね。



 今日のNHKの「鶴瓶の家族に乾杯」は相馬市の再開編でした。取材した仮設住宅のお宅は、我が家の近く。ふるさとへの思いで、いっぱいになりました。津波は、過去まで奪っていくんですね。心にぽっかり穴が空いた感じです。  

 写真は、相馬市から提供された震災前の松川浦の写真です。

飯舘の珈琲店

  • 2011.10.30 Sunday
  • 23:48

  飯舘村を走ると、珈琲店「亜久里」の前は、草が生い茂っていた。その珈琲屋は、飯舘村にあって、自家焙煎のおいいしいコーヒーを出してくれた。その店に前を通ると、決まって休憩して、コーヒーを飲んだものだった。相馬、南相馬、福島まで宅配していた。南相馬ファクトリーの「ほっと悠」でも、コーヒーをそのお店から仕入れて、出していて評判が良かった。

 店の前の畑は、ブルーベリーの木が茂っていて、店から見える畑と山は穏やかな稜線を描いていた。私のささやかな愉しみを失ってしまったが、マスターは福島市の方で、古民家を改造して店をオープンしたと新聞で読んだ。田舎であることに誇りを持ち、ふるさとを愛していた人が住んでいた村だったから、車を走らせると、胸が詰まる。




10年前の「亜久里」と娘。

戻って来ることができるのだろうか?

ふるさとの再生への思い

  • 2011.10.29 Saturday
  • 23:38
 

 えんどう豆は3.11の震災と原発事故の影響で、研修生と職員が全員避難した。シンガーソングライターのあんべ光俊さんから、メールが、えんどう豆に届き、自分の曲に作詞をしないかと依頼があった。原曲は「ぼくは君が、すきだよ」という曲だが、「ぼくは相馬が、すきだよ」という相馬バージョンを作った。あんべさんは、南相馬での「とっておきの音楽祭」でもお世話になっていた。あんべさんの故郷、陸前高田も被害が大きいのに、声をかけてくれた事がうれしかった。東日本大震災で、津波、原発事故の影響で、先が見えない状況で、ふるさとへの思いを込めて作詞した。



 せっかく作った曲を相馬の人にも聴いてほしい、という事で「相馬さいがいFM」で歌ってくれた。6月5日に仙台で開かれた「とっておきの音楽祭」に全国各地に散らばった研修生と職員が集まり、「ぼくは相馬が、すきだよ」を歌った。あんべさんも応援に駆けつけてくれた。ふるさとへの思いが、涙になってあふれ止めることができなかった。




僕は相馬、好きだよ(作詞/えんどう豆 佐藤定広)

1. 梅雨の開ける相馬に、旗がなびくよ
  野馬追の法螺の音、街に響くよ
  城に集う武者たち 風が騒ぐよ
  街の人は千年、守ってきたよ
  みんな思いつないで、誇りをもって
  君と暮らすこの街、守りたいんだ

  僕は相馬、好きだよ どこに居たって
 なつかしいふるさとの 温もりがする

2. 宇多の流れ 清く 松川浦へ
  うまいホッキと魚  食べにおいでよ 
 海は青く 鹿狼の 山は緑に、    
 子どもたちは遊ぶよ 自然の中で
  つらいことがあっても  諦めないで
 みんなでつくろうよ ぼくらの街を

  僕は相馬、好きだよ いつの日だって
 きっと元気な君、できるはずだよ。

3. さくら咲く馬陵の 城を歩けば
  ひばり空を高く、さえずる街よ
 冬が来て鹿狼の 山に光が
  灯る頃に君は 帰ってくるよ
  子供たちの瞳に 映る明日は
  未来見つめ 夢にあふれているよ
 
  今は君と別れて、暮らしていても 
 僕は君が好きだよ どんな時でも

 今は君がいれば、何もいらない
 いつか普通の暮らし、必ずできるよ



それから数日して、職員不足であったが、えんどう豆は再開した。



fukushima02.png

back01.png back01.png


デザイナー

  • 2011.10.28 Friday
  • 23:15
 


 「くるみちゃん」バッジが人気で、定番になってしまった。わざわざ、くるみちゃんのバッジを多く入れてくれと、申し込みの備考欄に書いてくる人までいる。そんでもって、ヨコシマな所長(私)は、デザイナー料も払わず、休憩時間に絵を描かせて、カレンダーを作る計画を立てるのだった。全国から名指しで注文が来ている事をお母さんに知らせると、とても喜んいた。そのお母さんにも、しっかり売りつけてしまった私。彼女の個性的な能力を、使いきってみたいものです。バッジの売り上げ好調につき、お給料上がりました!

上の写真 photo by 塩入正夫




新種のねこちゃん。くるみ作

資源回収、大忙し!

  • 2011.10.27 Thursday
  • 22:22
 


「身友会作業所」は、働く男の集団である。身体の障がいのある人が、体を使う大工仕事をしているというのも、全国的に珍しいかもしれない。実は、震災以後、ひばり作業所とポニーハウスと身友会が合併したために、他の作業所のダンボールの資源回収を一手に引き受け、車を走らせていた。南相馬は、仮設住宅の建設ラッシュがあって、事務所にいる時間がないくらい、仕事をしていたそうである。バッジ作りは、印刷担当。先日、警戒区域にあった大工道具が戻り、木工作品ができる日も遠くない。黙々と働く姿は、職人そのもの。合併しても、「身友会作業所」は、自分たちの路線を行くに違いない。


ほっと悠の今

  • 2011.10.26 Wednesday
  • 23:14
「ほっと悠」は、南相馬で一番元気な福祉作業所であったと思う。お弁当、お店、メール便、お食事処、資源回収など事業も幅広く行っていた。震災と原発事故で、一時、職員が避難し、支援する人がほとんどいない状態であったが、今では、鈴木さん、工藤さんを中心に活動を再開している。再開した当時、全国の作業所から、支援センター経由で、支援を頂いた時もあったが、ほっと悠の事を大好きになって帰っていった事が印象深い。

工藤さんにお願いして、コメントを頂いた。
彼は、何役もこなしてがんばっている。無理しないようにね。






ほっと悠は

 1.明るいあいさつ
 2.元気にはたらく 
 3.みんな仲良く助け合う  
              を目標に日々仕事に取り組んでいます。



3.11の震災で多くの人たちが県内外に避難しました。

今も避難中の人たちはいますが、約半数の人たちは南相馬市に戻ってきました。

久しぶりに見るみんなの笑顔でこころが和みます(*^_^*)

毎日楽しく仕事をしたり、お話をしたり、ホントにみんな元気です!

仕事は以前よりも少なくなってしまいましたが、出来ることから少しずつ頑張っていこう

としています。

今は正月飾りの仕事や缶バッジ作り、お弁当づくりやメール便配達などをやっています。

みんなと一緒に仕事が出来ることの喜び、そして人に喜ばれることをして感謝してもらえ

ることがほっと悠のいいところです。

これからも地域の人たちに愛されるようなほっと悠にしていきたいですね。

                                
                         ( ほっと悠 工藤 )

再スタートと笑顔

  • 2011.10.25 Tuesday
  • 22:55
 

 南相馬ファクトリーの7つの作業所、それぞれが震災後、再スタートした。最後に再開した「ポニーハウス」に、訪ねて行った時、電子部品の下請けの仕事や資源回収の仕事をしていた。メンバーは全員そろわず、少なくなっていたが、それでも自分の作業所に戻って仕事ができて、うれしそうだった。住み慣れた我が家が一番いいように、メンバーも職員も、我が作業所が一番。他の作業所なのに、彼らの笑顔を見ると、うれしかった。カンバッジの仕事ができて、一つの会社のように動いている。南相馬ファクトリーの作業所が支えあい、震災前より、絆も深まったように思う。みんなの笑顔には、元気がもらえるなぁ。

ブレイクタイム

  • 2011.10.24 Monday
  • 22:16
photo by 塩入正夫

おぶらでぃ・おぶらだ(えんどう豆バージョン)  作詞 えんどう豆の所長


明るい南相馬の 小さな作業所に、いろんな人が集まった、
そこは、えんどう豆という。

おぶらでぃ・おぶらだ・ぱぱぱや・ぱぱぱぱぱ(※1)

はたおり上手なチエちゃんは、ちょっぴり照れ屋さん
資源や畑にいつも 頑張っているのは タカシ君  ※1

牛乳パックを切りに 来るのはユウキ君
とってもきれいな布を織るのは 元気なコウキさん ※1

 ハガ君の織っている さをりの音は トントントン
 いつも笑顔のユウコさん しごとはチューッリップ

アクリルたわしを作る タカ君とヒロトさん
何でも上手なマサオさん だけどいたずら大好きよ ※1
 ヒロムネさんは、こマメめで マジメに働くよ
 綿の種とるイトウさん、 とても リズムが大好きよ ※1

 えんどう豆で働く み〜んな、個性的。
 ココロのきれいなみんな、 とても とっても 大好きよ。※1



楽しいことしたいね。
「がんばろう」って、言われるけど、これ以上、ムリできないかもね。
バッジの仕事はいいけど、楽しい事がやりたいね。

どこかに、行こうか?
う〜ん、どこも放射線が高いよ。どうする?
仙台で牛タン食べてこうようか?
でも、常磐線は走ってないよ。
大阪の小西さんが送ってきたタコ焼きにすっか。
え〜〜〜っ!!

音楽したいね。
いつもなら、「とっておきの音楽祭」の練習してるのにね。
お祭りも文化祭も、今年はないよね。
でも、音楽すっぺ!。みんなで楽しめるの曲がいいな。
図書館のカフェでできたらいいね。
よし、練習でもすっか。

( タコ焼き、食い過ぎて、腹いっぱい。)








お客さんの話から

  • 2011.10.23 Sunday
  • 23:45
 

 お客さんが来て、震災の時の話をしてくれた。原発が爆発して、数キロほど離れている双葉町の病院にいたAさんのお母さんは、自衛隊のヘリコプターで会津に運ばれたが、家族が聞いても、町からは個人情報は出せないと言われた。やっと探し出したが、胃ろうの必要があるのに、退院を迫られ、2日分の栄養剤だけ預けられ、病院を探す事になる。家族は、関東の病院を見つけ、マイカーで移送する。その間、家を留守にしていたら、行方不明リストに。子どもは福島市へ避難させたが、その後、関東に避難させた。今も2重生活が続いている。

 家族がいたAさんはいいほうで、老人や病人、そして障がい者は緊急時、後回しになってしまった。自分の命、家族の命を守るため、医療関係者、介護する人まで避難した状況だった。その中でも、弱い立場の人の命と生活を支援した人がいた。

 先日、関東で、会議があり「避難計画」を策定しようという話になったが、気持ちが入らなかった。策定する事は当たり前の事あるが、想定外の事が起きた時に、必要な立場、支援をすることができるか、まず、そちらの気持ちが在るかが先決だ。まだ原発事故は進行中なのだ。

 浪江町、双葉町、飯舘村など、警戒区域、計画的避難区域の中にある家は、空き巣が入り盗難が相次いでいる。お寺から仏像まで盗む輩までいるそうだ。募集はしているのに、働きたがらない人も多いと聞く。緊急時だからこそ、想定外だからこそ、その人の心の在り方が見えてしまうのかもしれない。そう考えると、私の回りの人たちは、立派な人が多いのです。その人たちのつながりが、街を支えている。

 (photo by 塩入正夫)


秋田でも報道

  • 2011.10.22 Saturday
  • 22:26
 


 
 テレビで「南相馬ファクトリー」の製作の様子が紹介されて、福島県内のほか、東北各局でも放送されました。それを、秋田中央市場の最上さんが見ていてくれて、カンバッジを注文してくれました。販売の様子を、秋田の毎日新聞に報道されたと、ファックスで記事を送ってくれたのですが、今日の福島版にも載りました。本当に、ありがとうございます。こんな感じで、いろんな人に売っていただいて、全国各地に、その気持ちが広がっているんですから、何とお礼を言ったらいいかわかりません。感謝。

 同じ新聞に、医師の「鎌田實」さんのコラムがあり、南相馬市立中央図書館で読み聞かせをしたことが載っていた。緊急時避難準備区域が解除され、子どもたちが帰ってきたための企画であろう。子どもたちとの交流の記事は、あたたかい内容だった。鎌田さんは、図書館をほめていたが、ほんとにいい図書館だった。居心地のいい場所なのだ。前にも話したが、南相馬ファクトリーの一員の作業所の「自立研修所ビーンズ」のカフェが、ここにある。

 南相馬市は、小さな街だけど、市民が、自分たちの街を愛し、自分たちで、街づくりを行ってきた。図書館を会場に、私たちも、福祉の仕事ばかりでなく、音楽のある街づくりをしようと、「とっておきの音楽祭in南相馬」や「カフェライブ」、レコードを聴くイベント「アナログタイム」など行ってきた。障がい者と健常者の垣根のない空間があった。残念だが、今、最低限の事をする事で精一杯で、文化的?な事をする余裕がない。例年、秋祭り、文化祭、芋煮会で忙しい時なのに、今年は寂しい限りだ。でも、きっと南相馬の人たちは、悲観してばかりでなく、街を作っていくような気がする。



(写真はカフェ・ビーンズのなかま 2010.11撮影)

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