学校

  • 2011.09.30 Friday
  • 23:57
 

 見ること、思い出すことがつらいのですが、この状況を伝えなければならいと思い、県外から来た人や知人を、被災現場へ案内することがあります。その人たちは、わざわざ来て下さった人たちですから、痛みをわかってくれている実感があります。人間は、気持ちを寄り添うことが大事なのかもしれませんね。

 私は今回の震災、津波、原発事故の出来事でショックを受け、心が萎縮していましたが、友達や家族の励ましと、音楽 に救われました。「満月の夕」はその1曲ですが、下記は被災した時の写真と共に、アン・サリーが歌っていいる動画です。そしてオリジナルの「ソウルフラワーユニオン」による「満月の夕」です。
(南相馬、相馬は原発ばかり取りあげられますが、津波の被害も甚大なものでした。)

東日本大震災「満月の夕」アン・サリー
http://www.youtube.com/watch?v=pVdHgoE8RP8&feature=related

阪神大震災「満月の夕」ソウルフラワーユニオン
http://www.youtube.com/watch?v=-J9vR-JeAlU&feature=related

「満月の夕」の作者、「ソウルフラワーユニオン」の中川敬さんと山口洋さんが、共に、カンバッジのプロジェクトを応援して下さっています。下は、ソウルフラワーのバッチです。中川さん、リクオさんは、南相馬に来て歌ってくれたんですよ。胸が熱くなります。感謝。



感謝

  • 2011.09.29 Thursday
  • 21:39
 

 カンバッジは、全国の方が買ってくれていて、何度か注文してくれるリピーターの人がいます。昨日、ある方から電話があって、息子さんが重度の障がい者で、コミュニケーションがあまりとれない方らしいのですが、チラシでバッジの趣旨を説明できるので、バッジが売れるらしく、とても本人がイキイキとしている。また注文するね。 という話を聞きました。その光景が見えるようでした。すっごく、うれしいです。

 バッジは、卸しの箱売りで、1個あたり125円の設定で、お客さんに渡る時に、150円を標準に売ってもらっています。買ってくれる方が障がい者の作業所も多いので、そこでお金が落ちるようにしています。沖縄から北海道の作業所の方から、注文を頂いていて、皆さん、ほんとうにありがとうございます。申し込み書の備考欄に、応援メッセージが添えられている事がありますが、とてもうれしいです。売ってもらう時に、「福島」や「南相馬」を応援してもらう事ができるんですから、それを考えると泣けてきます。「感謝」という言葉の他、思い浮かびません。

 photo by 塩入正夫

原町一小の除染

  • 2011.09.28 Wednesday
  • 23:03


 新聞でマーチングバンドの県大会の記事を見つける。昨年、全日本小学校バンドフェスティバルで金賞に輝いた南相馬市の「原町一小」の名前はない。今年は出場さえできなかった。原発から20キロ圏内は学校が閉鎖されていて、30キロ圏外の別の学校に通っているからです。原発事故さえなければ、きっと生徒たちは、伝統を引き継いで、その勇姿を見せてくれたろう。

 その「原町一小」の前を通ると「緊急時避難準備区域」の解除に向けて、校庭を除染中だ。えんどう豆では、牛乳パックの資源回収で、お世話になっていた。体育館は、震災後、ずっと避難所として利用されていた。学校が再開されて、どれだけ戻ってくるのかわからないが、親の気持ちを考えると複雑な思いがする。

 私も親だが、子どもの意志をどれだけ尊重するのかは難しい。どうしても、親の判断になってしまう。危ないから、単純に避難ればいいのか?放射線量がわからない頃、私自身も迷っていたので、子どもに、「仙台に引っ越すか?」と聞いたことがあった。娘は顔が歪み、大泣きした。「絶対、イヤ」じぃちゃん、ばぁちゃんと親のいる相馬で生活する事を意志表示してくれた。子どもの感情に流されず、冷静な判断をするべきと考える人もいるかもしれないが、その日からだろうか、「相馬」に住む覚悟はできた。学校に戻ってくる人たちも、それぞれ覚悟した人たちだと思います。


生産好調!?

  • 2011.09.27 Tuesday
  • 22:26


 今日は、各作業所にファクトリーの資料を配るため、巡回しました。

 写真は「ひばり就労支援作業所」の皆さんです。黙々と生産しています。
バッジは、正確無比なこだわりを持つ人が担当。完璧な仕事をしています。
お〜すごい。私より早いし、うまい。適性が生かされていますね。
うれしくなってきます。

 箱詰めと配送業務を、ひばりさんにやってもらい、分業が進み、私も楽になってきました。
ひばりさんは、工業製品の下請けの仕事が多かった作業所ですから、早くて正確な仕事をします。「えんどう豆」の3倍以上の生産量です。でも、それぞれ違っていいと思うんです。

 ファクトリーという共同体を作り、いくつかの作業所に仕事を振り分けるのですが、仕事に関する価値観とスタイルに違いがあり、おもしろいです。いっぱい売れた方がいいのですが、「えんどう豆」はこれ以上、生産量は増さず、自分のペースでいきたいと思います。

くるり、ありがとう!

  • 2011.09.26 Monday
  • 21:14
 



 ロックバンド・くるりが「つながり∞ふくしま」のカンバッジのプロジェクトを応援してくれてます。

 9月23日に開かれた、くるりが主催する『京都音楽博覧会2011』に販売するオリジナルバッジを南相馬ファクトリーに依頼してくれたのです。京都のおんぱくには、小田和正さんや、細野晴臣さん、石川さゆりさんなどのミュージシャンが参加したそうです。そのライブイベントのために用意された、カンバッジ1000個は、開演前に売り切れました。

 先日、彼らが、仙台に来るというので、お礼に行ってきました。
岸田さん、佐藤さん、田中さん、とても自然体。南相馬の話に、いろいろ心配してくれていて、うれしかったです。
音楽家である自分たちに何ができるのか、自分に問う姿や、相馬にはこんな民謡があるよね、などジャンルを超えて造詣が深い方たちで、とてもステキな方たちでした。

 ダウン症を持つ娘を連れていったのですが、かわいがってくれるんですよ。目線がやさしい。自然に付き合ってくれる姿に、「この人たち、いい人だぁ〜。」と単純に、感動したのでした。日常の中にあるやさしさや、心の変化を大切に歌う人たちなんですね。
私は、震災後、日常を取り戻すことが目的なんですよ、とお話しました。

無理を言って、おみやげに持っていったカンバッジを付けてもらい、撮影をお願いしました。


「ありがとう、くるり!」 南相馬から応援しています。


PS. 細野さんとの「風にあつめて」最高でした。


相馬と南相馬

  • 2011.09.25 Sunday
  • 09:00
 

 今日は、秋晴れのいい天気です。私が住んでいる所は相馬市で、働いている所は南相馬市です。私は、毎日、30キロほど移動して、えんどう豆に通っています。同じように被災していると思われがちですが、状況は違っています。

 上の写真は、原発から30キロ圏外にある、相馬市の水田の状況です。このシーズン、田んぼの中の道を車で走るのは心地よいものです。大地の恵みを実感できるし、このお米が新米になって、食卓に出てくる訳ですから、秋は大好きです。撮影のため足を止めると、イナゴが飛び跳ねて、秋風が稲穂を揺らします。

 でも今年は、二本松市で放射性物質が検出されて、福島の米が、風評被害で出荷しても、売り物になるかどうか心配です。我が家でも、知人や親戚にお裾分けする事があるので、どうしたらよいか、困っています。もちろん、我が家では、食べますが。

 


 この写真は、南相馬市の鹿島区の海岸線に近い田んぼの状況。生えているのは、米ではなく、雑草です。津波で塩を被り放棄されて、除草していないので、田んぼには見えません。
バックホウで、表土を剥いでいる田んぼや、トラクターで除草されている田んぼもあります。
今年、南相馬市の全域は、米の栽培をしない事になっていて、特別な地域である事を実感します。

 農家のおじちゃん、おばちゃんが、どんな思いで、田んぼを眺めているのかと思うと、悔しい思いでいっぱいになります。事故とは言え、ここに住む人の生きる証しを奪ってしまっていいものなのか、国は原発存続に向けて動くでしょうが、私はここに住む事を選択した人間ですので、はいそうですか、と言えないです。技術は人が幸せになるために使うべきですし、じいちゃん、ばぁちゃんの気持ちや、引き継いできた文化をもっと大事に考えて欲しい。人は大地によって生かされていることを、じいちゃん、ばぁちゃんたちは、体で知っています。




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リクオ&ケイスケ

  • 2011.09.24 Saturday
  • 16:38
 

 ミュージシャンの リクオさん から、電話があり、カンバッジを作ってくれる事になった。今回の企画に賛同してくれて、「つながり∞フクシマ」の文字も入れてくれた。ありがと〜。 リクオさん。超うれしっすっ。今度、10月15日に、相馬でライブがあるそうですね。楽しみで〜す。

 南相馬の図書館にある、カフェビーンズ、(障がい者NPOが運営)が、、無料のライブを開いた時に、リクオさんが快く引き受けてくれた。みんな、リクオさんの弾くピアノに度肝を抜かれたっけ。

 今回、ウルフルズの、ケイスケさん との一緒のツアーで、バッジを企画してくれたんですね。
26日にケイスケさんが、やってるUSTREAM番組 MagicalChainTVで、番組内でバッヂの紹介がされるかもと連絡をいただきました。

 音楽関係の人とのつながりで、カンバッジの応援を頂いています。皆さん、ありがとう!随分とマイナーな自分でしたが、このところ、出番が多いです。震災後、音楽がまったく聞けない時がありました。でも今は、音楽に救われた気がします。泣けるし、元気ももらえるようになってきました。歌も、以前より、心に入るようになってきたように思います。

 
 

相馬、好きだよ。

  • 2011.09.23 Friday
  • 23:55


「皆さん、ふるさとがありますか?」  「ふるさとが好きですか?」

 私たちのふるさとは、「そうま」です。震災後、多くの人が亡くなり、食料さえ手に入らない時期があり、ふるさとが、大好きだったことに気付きました。

 相馬には、「相馬野馬追」という「神事」があります。
相馬の人は、この野馬追いを、千年の間、大切にし、守ってきました。
原発事故で、避難した双葉郡、南相馬の小高区、原町区の人が参加できなかったかもしれませんが、それでも開催することができました。

 バッジには、そうした「ふるさと」を大事にする気持ちが、つまってます。だから、「ぼくは、**すきだよ!」と、**に自分の好きな ふるさとの文字 や言葉を入れてオーダーしてもらってもいいです。がんばつて、作りますので。



 この写真はザルツ撮影です。東京から相馬に入り、相馬のスピリッツ(妙見思想)を、相馬の私に教えてくれました。作業所のメンバーさんも撮ってもらってますが、写真で的確に物事を捉える力はさすがプロですね。

 震災後、いろんな事があって、大事なものと、そうでないものが見えるようになってきているのかもしれません。みなさんは、いかがでしょう?





震災後の状況

  • 2011.09.22 Thursday
  • 23:12
 

 震災前、南相馬市にある、ひばり就労支援作業所、ポニーハウス、身友会の3つは、合併するため、準備をすすめていた。福祉サービスの向上と経営的な安定のため、4月からは、障害者自立支援法の就労継続支援B型の事業所として、スタートするはずだった。3月10日には、県の建築審査も終わっていたが、翌日、東日本大震災と原発事故のため、3つの施設は休業状態となった。認可される前に事故が起きたので、福祉サービスの事業所として、職員に給料が払えない状態となった。

 「ひばり就労支援作業所」は、主に知的障がいの方が働いていた作業所である。電子部品の下請けを行っていた。地震の後、従業員が避難した工場に納品しに行ったそうだ。その後、工場はしばらく休業したが、連絡はかかさず、再開の時には、すぐ連絡して工場の生産を担った。メンバーは皆、黙々とスピーディに仕事を行っている。 

 「ポニーハウス」は、精神の方が働く作業所だ。メンバー、スタッフいても再開できない状態になった。メンバーが戻ってくると、居場所として施設を開放していた。所長は、県から認可をもらうべく、努力していたが、県でも非常事態のため、思うように話が進まない。

 「身友会作業所」は、身体の作業所。手に麻痺がある元大工のKさん(写真)は、職人タイプの方で、震災前は、木工製品を作っていた。資源回収も熱心で、よく町中を走っていて、車ですれ違うと、いつも笑顔で声をかけてくれる。原発から20キロ圏内の警戒区域に大工道具を置いてきていて、現在、木工は休止しているそうだ。しかし、いち早く仕事を再開し、資源回収を行っている。

 作業所のメンバーの工賃(月給)は、元々、1万程度と少ないが、この時期、仕事がなくなって、3000円ほどに落ち込んだ。スタッフに関しても、5月〜7月までがボランティアとして動かなくてはいけなかった。それでも、作業所を再開するため、それぞれが献身的に動いていた。まったく、この人たちは、何に動かされているのだろう?

 そして震災から、半年が過ぎ、ようやく8月に県の事業認可が下り、事業を開始することができた。それぞれの作業所が、カンバッジの仕事をしていて、製造、配送、印刷など役割分担し行っている。今まであった仕事も、すこしだが戻って来はじめている。みんながいきいきと仕事をしている姿に、私も元気をもらう。震災後、事業所を越えて、連携が強まってきている。



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オリジナルバッジ

  • 2011.09.21 Wednesday
  • 22:51
 
  カンバッジの図案は、福島や南相馬、ひまわりをテーマにしていて、えんどう豆の所長と和(なごみ)の所長がデザインした素人くさい図案であるが、えんどう豆のメンバーの描いたデザインのバッジが登場して、好評である。彼女は、お絵かきが大好きで、今回、かわいい猫?と友達の絵を描いた。なかなかの存在感のあるキャラクターである。標準のセットには入っていない時もあるので、彼女のバッジを希望する時は、申し込み時にお話くださいね。

 彼女は、震災後、養護学校を卒業して、えんどう豆に入った新人さんである。普段は、会話が苦手な彼女だが、笑い上戸で明るいキャラだ。手先がとても器用で熱心に仕事をする。

私の守りたいものは、彼女や作業所にくる人の笑顔なのかもしれないない。



(下の写真は ザルツさん撮影 )


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